カマーバンドとは?
かつてはタキシードの三種の神器の一つであったカマーバンド。タキシードといえば腹巻きのようなカマーバンドを思い浮かべる方も多いアイテムだ。現在では機能性で着用するというよりは、装飾的なデザインとして認識されている。よって現代の結婚式のタキシードで必ず着用しなければいけないことはない。
カマーバンドの発祥は砂漠地帯のラクダ乗り
カマーバンドの誕生の元になったのは、ラクダに乗り砂漠を渡る商人が腰に巻いていた帯の布。当時は銀行や財布が存在しなかったため、商人達は腰に巻いた布の中にお金を入れていたものだった。この布は「kammer」と呼ばれ、中近東~東欧諸国の民族衣装の一つとして今でも使われている。
カマーバンドを発明したのはイギリス人
19世紀の後半頃は、タキシードの中にベストを着るスタイルが主流であった。(現代のスーツと同じ)しかし、当時イギリスが統治していたインドに駐留中のイギリス将校達が、暑いインドの気候に耐えかねたのか、インド人が使用していた幅の広い帯をベストの代わりに着用したという。その後イギリス人は自国へとその文化を持ち帰った。これがカマーバンドの誕生である。
カマーバンドにベルトは不要
カマーバンド着用の際にはベルトは用いず、必ずサスペンダーを使用する。理由は腰回りをキレイに、ウエストを格好良く見せる為である。上下はヒダは上向き(指が、上から折込んだヒダの間に入る)、ヘソの位置にズボンの上から巻いて、留金を掛けるようにする。
カマーバンドは元々チケット、コイン入れだった
パーティーで財布やバッグを持ち歩くのは不格好であるのと同時に、キャラバン隊の由来から本来カマーバンドは貴重品を入れるために誕生したものだった。ひだをポケット代わりにし、オペラやパーティーに行く時にはそこにチケットを挟んだり、お札を挟んだりしていた。