ニューヨークで起きたタキシード事件とは?-

ヨーロッパでスモーキングジャケットが流行してから約10年後のこと、1886年にニュー ヨークのタキシードパークという地帯にある実業家の別荘地でその出来事は起こった。別荘で開かれた舞踏会で全員が当時のフォーマルウェアであった燕尾服を着ている中、主催者のグリスウォルト・ロリダート(アメリカではタバコ王として知られる富豪)は真っ赤なスモーキングジャケットを着用してパーティーに参加したのだ。これは後にタキシード事件と呼ばれている。


目立ちたがりの彼は、当時の男性の正装は燕尾服(テールコート)を着用しなければならないというドレスコードがあったにも関わらず、それを打ち破ろうとした。既存のルールを壊し、新しいスタイルが生まれたこの出来事は当時とても話題を呼ぶようになり、徐々にこのスモーキングジャケットのスタイルがニューヨークを中心に若者へ広がっていった。

タキシードの名前が生まれた瞬間-

1890年代には色鮮やかなスモーキングジャケットと燕尾服のズボン、シャツ、小物を組み合わせた独自のファッションが流行した。このファッションは後に現代のタキシードの衣装となり、ネーミングは出来事が起こった地名に因んで「タキシード」と呼ばれるようになったのだ。

それにしてもグリスウォルト・ロリダートは、なぜわざわざ目立つ赤いジャケットを着ていったのか?それはエドワード7世が広めたスモーキングジャケットがヨーロッパでは進化を続けており、狩猟の際に真っ赤なハンティングジャケットを着用するのが流行していたのを真似たからだと言われている。

グリスウォルト・ロリダートはこのパーティーの前年にがヨーロッパを訪れており、この流行のスタイルを見て、意図的にそのような格好で現れたと推測されている。礼儀や公の場ルールなどが今よりも厳しい時代に、型破りな行動で周囲を驚かせたというのがなんとも彼らしい。

・【後編】進化を続けるタキシード

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