拝絹(はいけん)とは、タキシードやテイルコート(燕尾服)の襟(ラペル)の部分を差し、朱子織の光沢のある布地を張ったものである。
本来はシルク(絹)を使用するが、代替に光沢感があるサテンやタフタ、キュプラ、ポリエステルなどが用いられることもある。
英語では一般的にはフェーシングカラーと呼び、別名ではフェースドラペル、シルクフェースドカラー、シルクフェーシングなどということもある。
拝絹の作り方は、ボンディング加工と呼ばれる加工を施し、裏地に厚みをもたせたものもあれば、そのまま襟部分にシルクを貼り付ける場合もある。
拝絹は夜の正礼装のタキシードとテイルコートのみに用いられる。それ以外の衣装の場合、襟のラペルはジャケットの本体と共地で作られる。
なお、拝絹の由来であるが、電気のない時代に、室内のほのかな明かりでも光を反射して、顔を見えることができるように付けられたとの説がある。