結婚式のために新郎がオーダーでタキシードを作るということになれば、ついジャケットやパンツに目が行きがちだが、実はシャツが重要ということをご存知だろうか?
今回お話するのは、結婚式の忙しさで意外と気がまわらない「シャツ」について。なぜオーダーメイドが良いのかをお話したい。
シャツはオーダーメイドがいい3つの理由
① 首周り、袖幅、袖丈のサイズ感が合っていないと貧相に見える
「オーダーメイドでタキシードを作ってみたい」と思った方は「自分だけのオリジナルのデザインにしたいから」、「生地のブランド選びを楽しみたい」、などたくさんの理由があるだろう。しかし最も大きな理由は「自分のサイズにぴったりとあったものにしたい」からではないだろうか?
実はこれはタキシードだけではなく、その中に着るシャツについても同様のことが言える。
実際に自分が体験したシャツの話
ここで筆者自身の体験を話したい。実は先日、久しぶりに有楽町にある阪急メンズ館に既成品のシャツを見に行った。筆者の首のサイズは36cmと細身の体型なのだが、身長は177cmあって手は長い。(シャツは首の周りの長さを基準にし、33cm〜45cmくらいまである)
まず直面した問題は、阪急メンズ館で取り扱っているシャツのサイズは首37cmからであること…。
自分は細身な体型だが、同じくらい細い人もたくさんいるはず。その時点で既に自分の首周りにあったサイズがなかったのでジャストサイズは諦めるしかなかった。
そして次が袖である。
少し大きめの首37cmを選び、なんとかシャツ選びをスタート。しかし大きな問題が。それは袖の長さが圧倒的に足りないのである。手首から3cm近くシャツが短い。筆者の袖丈は首39cmで丁度いいくらいであった。
しかし39cmでは首、身幅が大きすぎる。結局自分にぴったりのサイズは見つからず、買うのを諦めたという始末だ。
たったの2cmだが首39cmのシャツを着た時の自分の姿はどうだっただろうか、首周りに余分なスペースが生まれ、肩の幅は余り、胴回りには余分な生地がぶよぶよと余っている。とても着られたものではなかった。
新郎の中には痩せ型の人もいるだろう。そういった人の中には自分と同じ経験をした人も多いはずだ。
② 既成品ではピンタック入りのシャツは入手が難しい
タキシードのシャツと普通のシャツの違いは?といえば、一番に上がるのが胸にピンタックがついたデザインだろう。これはスターチドブサム、イカ胸、ヒダなどと呼ばれる部分だ。
実はこのピンタック仕様はシャツ工場に特殊な機械と技術が必要なこと、またそもそも需要が一般のビジネスシャツに比べて少ないことから世の中に流通数が少ない。
普通のシャツ専門店にはまず置いていない。ユナイテッドアローズやトゥモローランドなどのセレクトショップには1,2種類は置いてあるが、先に述べたサイズの問題で袖丈が足りなかったり、袖幅が広すぎたり、首が浮いたりとなかなかジャストなものが見つからないのである。
③襟のデザイン・袖のデザインで個性をアピールできる
タキシードのシャツの特徴として、ピンタックと合わせて襟のデザイン、袖のデザインに特徴がある。
まず一つはウィングカラーと呼ばれる立ち襟である。次に袖のダブルカフス。通常のボタンではなくカフスボタンを用意することが最上級の着こなしだ。
左がレギュラーカラー、右が立襟のウィングカラー。
ダブルカフスにウィングカラー、これらの2つの条件は市販のものでは数が少なく、選べる種類が少ないことから、新郎のおしゃれ心を満足させるには十分ではないだろう。
また「襟はウィングカラーがいいんだけど、袖はダブルカフスじゃなくていい」など様々な個人の要望がある。オーダーメイドであればこういった要望に一つずつ対応することができる。
最後に
フォーマルウェアはデザインの遊びが少ない分、サイズ感とシルエットもデザインの一つと考えるべきである。また、一つ一つのパーツを自由に選べることでタキシードと合わせてより満足度、完成度の高い衣装を作り上げることができる。
なお、オーダータキシード.netが扱うTHE GENTSではピンタックの有無はもちろん、タックの幅も選べるし、タキシードシャツの基本であるブロードの生地の種類も豊富に選ぶことができる。サイズはネック33cmから用意してある。これならガンジーくらい痩せていても安心だ。
こちらも参考にしてほしい:タキシードのシャツの選び方